オンライン講義のトピック(7)
愛教大のオンライン講義で、学生さんに向けてお話ししたトピックを紹介していきます。
協働事例 ~保護者と教員をつなげる~
保護者と教員をつなげたい、という思いでやっていた活動を2つ紹介します。
その2: しゃべり場(2)
では、さらに
- 広げる
ということにも取り組みました。
これは、小牧中だけでなく、市内の全中学校で開催しよう!という壮大なものでした。
中学生ともなれば、子どもたちの行動範囲も広がりますし、地区を超えた交流もあります。
そうした中でトラブルが起きていることを考えると、自分の子どものことだけを考えているだけでは不十分なのではないか、という思いがわいてきました。
きっと、他校の保護者や先生方も、同じように問題を抱えているだろうし、困っているだろう、と考えたのです。
当時の校長先生は、常々こうおっしゃっていました。
うちの学校だけ幸せになっても仕方がない。地域全体が幸せにならないとダメだ。
その言葉に共感していた私たちPTAと学校が一緒に協議していくうちに、
それならば、市内全部でやってみよう
というアイデアが生まれ、かなり無謀なチャレンジではありましたが、走り出しました。
だいたいの研修会は、誰か専門家に講師をお願いして、会場にお招きして行います。
自校だけならいいのですが、市内には9中学校あり、すべての学校で研修会を開催するために講師をお招きするのは、スケジュール上無理でした。
そこで考えたのは、
自分たちが講師になればいい
ということでした。
各校のPTAや地域コーディネーター、先生方が講師となって、それぞれの学校で開催しよう、となったのでした。
教育委員会、校長会、市PTA連絡協議会など、各方面で趣旨を説明して、協力をお願いしました。
難色を示されたこともありましたが、とにかくやってみようということで、小牧中で「講師養成講座」を開催することができました。
そこには市内の各校からだけでなく、他市からも参加者があり、たいへん盛況でした。
その盛況ぶりから、ネットのトラブルはどこでも同じように起きていて、大きな課題となっているのだ、ということを痛感しました。
「講師養成講座」に参加してくださった皆さんは、その後、市内の全中学校で「それぞれの学校のしゃべり場」を開催してくださいました。
「しゃべり場」を開催することで、それぞれの学校で、PTAや地域コーディネーターと先生方との協働が生まれました。
一緒に練習したり、うちの学校に合った形に修正したり、そうした交流があったこともとても良かった、と講師役を引き受けてくださった方々から感想をもらえたことが、今も心に残っています。
「講師養成講座」を受講したあと、各校で「しゃべり場」が始まったことを伝える新聞記事です。(中日新聞)