【読書感想】脳はみんな病んでいる
脳はみんな病んでいる
お二人が「自閉スペクトラム症」と精神科医から診断を受ける、という内容はかなりの衝撃だったが、そこに至る対談の中で、2人の変わり者具合が強く感じられたので、なんだか最後は読者である私もホッとしていた。
うさぎさんが、「正常」と「異常」の境界線がわからない、と書いているが、読みながら、私も「何が普通なのだろうか…」と思ったし、境界線のわからなさに共感して、ふわふわとした不安を感じた。
自閉スペクトラム症という言葉は最近よく聞くようになったのだが、そういうタイプの人が増えているのか、そもそも一定数はいたのだけど見て見ぬふりをされてきた、あるいは排除されてきたのか…
どちらにしても、現状では自閉スペクトラム症のように発達障がいと言われる人たちはマイノリティだ。
マジョリティは彼らを異常だと判断するけれど、果たして本当にそうなのか?
彼らにしてみれば、我々(という言い方もなんだかトゲがあるが…)マジョリティこそが異常に見えるのではないだろうか。
社会システムが定型発達の人に合っているので、たまたまマジョリティになっているけれども、いろんな人がいることが当たり前なのだから、マジョリティもマイノリティもどちらか一方からの見方でしかないのだろう。
社会システムを変えるのは大変だけれども、個々人の見方や考え方の部分から、「いろんな人がいるので、いろんなパターンでOK」と思えるようになるといいなと思う。
まずは自分のモノの見方を変えていこう。