まったり屋ベティのブログ

元PTA会長のまったり屋ベティがお届けする「学び続ける大人」のつぶやきです。

教育は、リスクヘッジでもある。

先日、社会学者の古市憲寿氏の講演を聞きました。

今、日本は少子高齢化が問題になっていますが、この流れを変えることは不可能で、これから数十年にわたりこの問題は続きます。

講演の中でも、このことに触れて、労働人口が減る中で女性にもっともっと活躍してほしいし、そういう社会にしていかないといけないだろうというお話しが出ました。

それに関連して、子どもの貧困の話もされて、講演を聞きながら考えたことをメモしておきます。

 

経済格差が広がっています。

その中で、子どもの貧困ということがよく言われるようになりました。

けれども、そうした環境に置かれている子どもたちは、何ら彼らには落ち度もなく責任もないのに、その状況から抜け出すことができません。

そうした状況を少しでも改善するために、社会のリソースをこれまでの再配分から、義務教育の低年齢化を進めるなどの事前配分へと変える必要があるのではないか、という指摘がされました。

 

なるほど。たしかに現状では、貧困は連鎖していると聞きますし、そんな環境にいる子どもたちを救うために、公教育が果たす役割は大きいだろうと思いました。

ただ、公教育に対する要望が、大きくなりすぎているのは気になります。

学校を取り巻く環境が今のままでは、世間で期待されていることをすべて受け入れるのは不可能です。

「学校の中の人」がやるべきことを精査して、できることとできないことをきちんと線引きしないと、どれもこれも中途半端になってしまうでしょう。

というか、パンクしてしまいます。

私たち「学校の外の人」も、学校に押し付けるだけでなく、一緒に考えようという意識を持てるといいなと思います。

 

少子高齢化で人口構造が大きく変わってくる中で、私が思っているのは、これまでのような右肩上がりの経済成長は、もはやあり得ないだろうということです。

労働人口が減れば、それだけ税収が減るのは自明の理です。

ですから、それに合わせた国のカタチに変えていかないといけないだろうと思うのです。

 

でも、政治も経済界も、まだ日本は成長を続けられるという幻想に囚われているように見えます。

それはどうしてでしょう。

一つは、今日本のトップと言われている人々が、かつての高度経済成長の時代を知っていて、思考がそこから離れられない、ということがあるのではないでしょうか。

(自分が生きている間は)まぁなんとかなるさ、という感覚を捨てきれないのだろうと思います。

もう一つには、政治も経済界もまだまだ男性中心社会の価値観が強すぎる、ということもあるように思います。

最近は、女性活躍とか、働き方改革など、だいぶ男女共同参画の動きは出てきています。

けれども、実際にはトップ層の人々の多くが男性で、なおかつ古い価値観のままの人が少なくありません。

そういう人たちを変えようというのは難しい・・・というか、もう無理なんじゃないかと思います。

 

なので、そこに力を注ぐよりも、発想を切り替えて、これからトップになっていくであろう若い世代の人々に期待をした方がいいと思います。

若い世代に人々に影響を与えるもの、それが「教育」だと思うのです。

子どものころから、多様性を認めて、いろいろな意見に触れ、それらの中から現状に合った解決策を考えていけるような教育を受けていけば、きっとそういう国のカタチになっていくのではないか、と期待を込めて、思っています。

と考えると、「教育は、日本の将来に対するリスクヘッジでもあるんだな」と思いました。

 

教育は、時間も労力もかかります。

すぐに効果が見えるものでもありません。

でもとても大切で、必要なことですよね。

それと、教育は、学校での勉強だけにとどまりません。

子どもは社会の宝と言われますよね。

やはり社会全体で子どもの育ちに関わっていく必要があると思います。

学校任せにしないで、保護者も地域も、社会の大人がみんなで関わっていきたいですね。