いのちの授業づくり実践セミナー @東京
2019年7月27日
東京・両国で開催された「いのちの授業づくり実践セミナー in 東京」に参加してきました。
鈴木中人さんの著書「子どものための『いのちの授業』小児がんの亡き娘が教えてくれたこと」(致知出版)を教材として、優れた実践者である玉置崇先生、山田貞二先生による道徳の模擬授業(小学校版・中学校版)を2本と、著者の鈴木さんのミニ講演、さらに道徳授業研究者の大学教員のミニ講演で構成されるセミナーでした。
このセミナーは、名古屋(5月終了済み)、東京、京都(8月予定)で行われます。
私は、名古屋でのセミナーにも参加させていただいたので、今回はその時との違いを感じることができました。
本そのものが道徳授業で扱いやすような構成になっていることもあり、授業者のお二人が選択した内容の違いについて、意図を考えることもできましたし、そこからそれぞれが「何を伝えたいのか」「何を考えさせたいのか」ということの違いを味わうことができました。
まったく切り口の違うお二人の授業でしたが、共通しているのは「自分事としてとらえさせたい」ということだったのではないか、と感じました。
「いのち」という言葉は、それがたとえ子どもであっても、誰でも知っているし、「いのちは大切だ」ということはわかっています。
けれども、「そこに実感がともなっていないのではないか」というのが、セミナーを主催した鈴木さんや先生方の問題意識だろうと思います。
私自身も、「いのち」に対しての実感はいまいち持てていない、と感じています。それは身近な死を体験していないからなのでしょう。
死を考えることは、生を考えることにもつながります。
見聞きしたことや感じた気持ちを思い出しながら、自分ならどうするだろうかと考えることで、少しずつ「いのち」に対する思いが深まるのではないでしょうか。
だからこそ「自分事としてとらえる」ことの大切さを思いました。
本を教材としているので、本の中のエピソードを扱っていますが、「どのような『問い』を投げかけるか」が興味深かったです。
「問い」により子どもたちに考えさせるきっかけの与え方も違うんだなということや、そこから子どもたちが「自分事」として自分に引き寄せて考えることができるようにするためにこんな展開にするのかということを、鮮やかに見せていただき、体験できた模擬授業でした。
こうした「自分事としてとらえる」ということは、子どもだけでなく、大人にも必要な視点だと思います。
相手の思いや痛みを想像できる想像力や、少し立ち止まって考える心の余裕が持てれば、人との関係づくりにも役立つのではないでしょうか。
大人も、子どもたちと一緒に「いのちの授業」を受けられるといいなと思いました。
●授業と学び研究所HP「いのちの授業づくり実践セミナー」開催のお知らせ
●当セミナーの教材になっている書籍
子どものための「いのちの授業」 (小児がんの亡き娘が教えてくれたこと)
- 作者: 鈴木中人,葉祥明
- 出版社/メーカー: 致知出版社
- 発売日: 2019/03/22
- メディア: 単行本
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