みんなの学校(2)
私が「みんなの学校」を観た時に、まず思ったのは
「こんなにガチャガチャ、ワイワイしている中で、子どもたちは落ち着いて勉強できるのだろうか」
ということでした。
大空小学校には、落ち着きがない、じっとしていられないなどで、これまで学校になじめなかった子どもたちがたくさん在籍しています。
大空小学校ではみんなが同じ教室で学んでいますから、そうした子どもたちがどの学級にもいる状態です。
私はそのような状態を経験したことがないので、映画を観て、とにかく驚きました。
映画の中では、校長先生をはじめ、たくさんの先生方が懸命にそうした子どもたちと関わっている様子を密着して追っていました。
その様子から、先生方の「この子を幸せにしたい」という強い思いを感じましたし、その熱心さには本当に頭の下がる思いでいっぱいでした。
始めは教室に入ることができなかった子どもが、少しずつ教室で過ごす時間が増え、そのうち教室にいることが自然な状態になる様子を目の当たりにすると、先生方の関わりがいかに大切なのかということがわかります。
私がずっと気になっていたのは、その他の子どもたちのことです。
やはり彼らは、最初からうまくなじんでいったわけではなく、何度も衝突を繰り返していました。
そりゃそうですよね。
いきなりキレたり暴れたりされて、わけがわからないので、かなり困惑するでしょう。
中には、自分たちの勉強を邪魔されて、嫌な気分になっている子もいると思います。
それでも、なんとか理解しようとする態度を持ち続けていた子どもたちの姿がすばらしく、いつしかみんなが仲良く笑い合えるようになっていくことに感動しました。
この映画から、「インクルーシブ教育は障がいのある子のためにやる」というわけではなくて、みんなが一緒に学ぶことで、「障がいのない子にとっても大きな学びがあるのだ」ということを実感しました。