ボランティアのこと(2)
いいことがたくさんあるボランティア活動ですが、中には、熱心になりすぎてトラブルになることもあるようです。
例えば、学習支援のボランティアの場合、授業中に子どもの学習の手助けをすることがあります。
何かしらの苦手がある子どもの横で、つきっきりで教えているボランティアさんがいます。
なんとかできるようにしてあげたいという一心で、指導に熱が入りすぎてしまうことがあります。
しかし、これには注意が必要です。
ボランティアは、子どものかわりに何かをやってあげることではありません。
子どもが自分の力で前に進めるように、必要なサポートするのがボランティアの役割だと思うのです。
学校の授業を通じて子どもを育てることは、先生の仕事です。
そして先生は、学校の教育目標に沿って、授業を行っています。
ボランティアは、そこを越えてはならないのです。
子どものことを思って、という気持ちはよくわかりますし、ありがたいことだと思います。
けれども、学校での活動である以上、学校の方針に従うべきでしょう。
大切なのは、学校がどのような教育方針を持っていて、ボランティアにどのような関わり方をしてほしいと考えているのか、ということを、学校とボランティアの間でしっかり共有することでしょう。
そのためには、まず学校が考えをしっかりと示し、それをボランティアにきちんと伝えることが不可欠です。
そこが不十分なために、ボランティアが学校に不信感を持つとか、逆に学校がボランティアを拒否するという残念な事例も聞きます。
「地域で生きる子どもを育てる」という思いは、学校もボランティアも同じはずです。
それなのに、同じ方向を向いて進めないのはもったいないことですね。
学校が悪い、ボランティアが悪い、とどちらか一方に責任を押しつけていては、何も始まりません。
双方がよく意見を聞き合うことが一番大切です。
そのための環境づくりが、全ての地域で進むことを願っています。