まったり屋ベティのブログ

元PTA会長のまったり屋ベティがお届けする「学び続ける大人」のつぶやきです。

それぞれの思い

前回のブログ記事で、私が応急手当普及員の資格を取得したきっかけのことを、お伝えしました。

今回は、その背景にどのようなことがあったのか、ということをお話ししますね。

 

学年主任の思い

直接のきっかけとなった打診(小牧消防署の救急救命士の方から校長へ、そして校長からPTAへ)を受ける2年ほど前から、小牧中学校では3年生を対象に、普通救命講習が実施されていました。

 

これは、当時の3年学年主任の強い要望で実現したことだと聞いています。

 

学年主任の先生は、「中学生は助けられる立場から、人を助ける立場になれる」という思いを持っておられ、そのためにも講習を受講することで、生徒たちにその自覚を持たせたい、と考えておられたようです。

 

学校の現状

小牧中学校は市内で一番大きな中学校(当時)で、生徒数も多く、3年生に普通救命講習を実施するためには、数日に分けて行う必要がありました。

 

そのため、講師(救急救命士など消防署員)のスケジュール調整が大変だったようです。

 

学校は「毎年実施したい」という意向で、消防署もその意向を尊重し、全面協力のもと、「中学3年生の普通救命講習の受講」は2年ほど続いていました。

 

しかし今後のことを考えると、消防署の職員と教員だけではおそらく運営が難しくなるだろう、という判断があったのだろうと思います。

 

そこでPTAへの打診、ということになったのでしょう。

 

校長の思い

一方、学校の視点で考えてみると、その当時から「教員の多忙化」ということが社会問題となっていました。

 

さらに、「コミュニティスクールの推進」という文部科学省からの働きかけも強まっていました。

 

私たちPTAは日ごろから、校長の「できるだけ職員の負担は増やしたくない」という思いを聞いていました。

 

校長としては、「生徒に普通救命講習を受講させたい」という学年主任の思いはわかる。しかし職員の負担が増えることや、消防署への負担が大きくなりすぎることにも憂慮されていたことでしょう。

 

PTAの思い

私はコミュニティスクールの考え方には賛成で、もっと外部の力(PTAや地域)をうまく引き出してくれたらいいのに、と思っていました。

 

ですから、私たちが協力できることなら、遠慮なく相談してもらえるといいなと考えていたわけです。

 

そのためにも、私たちがもっと学校教育に関心を持たなければならないなと感じていました。

 

この打診があり、校長からの相談を受けて、私たちは「中学生は助けられる人になれる、という自覚を持たせたい」という学年主任の思いを知り、それに共感し賛同しました。

 

それが、PTA仲間の中に「私たちにできることなら協力しますよ」という思いを広げ、応急手当普及員の資格を取得するという行動につながったのでした。 

 

 

資格取得のきっかけ

「応急手当普及員」の資格を取得したきっかけは、小牧中PTA時代にさかのぼります。

 

 

私は、2010年~2014年までの5年間、愛知県小牧市立小牧中学校のPTA活動に、役員としてたずさわりました。

 

小牧中学校には、3人の子どもたちが足掛け8年お世話になりましたので、その半分以上の歳月を、ガッツリとPTAに関わることになりました。

 

巷でよく言われているように、当初は、PTA活動にあまり良い印象は持っていなかったのは事実です(笑)

 

けれども関わってみると、学校のこと、先生方の思い、それに家では見せない子どもの一面(笑)などを知ることができ、とても貴重な経験ができたと感謝しています。

 

 

さて、話を元に戻しますと、私が「応急手当普及員」の資格を取得することになった直接のきっかけは、小牧消防署の救急救命士の方から、小牧中学校校長(当時)の玉置崇先生に、次のような打診があったことでした。

 

「小牧中学校で実施している生徒への『普通救命講習』のお手伝いを、PTAの方にお願いできませんか?」

 

それを受けて、玉置先生からPTA役員だった私に、相談がありました。

 

そこで私は、PTA役員の皆さんに声をかけてみました。

 

すると、賛同してくれる仲間が手を上げてくれました。

 

こうして私は仲間たちとともに、「普通救命講習」のお手伝いをするために必要な「応急手当普及員」の資格を取得することになったのでした。

 

 

ある資格の更新講習を受けました

先日、「応急手当普及員」の更新講習を受講しました。

 

「応急手当普及員」って、ご存じでしょうか?

 

 

その前に、「普通救命講習」という言葉の説明が必要です。

 

Wikipediaから引用します。

 

救命講習(きゅうめいこうしゅう)は、日本で消防本部によって行われている応急処置技能講習。総務省消防庁による「応急手当の普及啓発活動の推進に関する実施要綱」に基づき、各地の消防局消防本部が指導する公的資格の一つ。

日本赤十字社の「赤十字救急法基礎講習」「赤十字救急法救急員養成講習」相当である。受講者数では年間約100万人で、数ある救急救命に関する講習の中で最も多い(平成17年度)。

 

ja.wikipedia.org

 

 

 救命講習には、「普通」と「上級」があり、講習の内容や、時間が違います。

これらの救命講習では、心肺蘇生法やAEDの使い方などを学びます。

 

「目の前で、突然人が倒れたら…」「家族が突然、心肺停止になったら…」

そんな場面には遭遇したくないものですが、もしかしたら起こってしまうかもしれませんよね。

 

そういう時に、救急車が来るまでに、私たち一般の人たちにもできることがあります。

それを学ぶのが、「普通救命講習」です。

 

中学生以上であれば誰でも受講できますし、全国の消防署で定期的に開催されています。

もちろん無料ですから、興味のある方は、ぜひ調べてみてください。

 

 

「応急手当普及員」というのは、この普通救命講習の指導ができる人のことを言います。

3日間の講習を受講すると、資格を取得できます。

この資格の有効期間は、3年です。

更新するためには、そのたびに更新講習を受講しなければなりません。

けっこう大変です(笑)

 

私は医療従事者ではありませんし、救命講習にとくに関心があったわけではありません。

そもそも、このような資格があることすら知りませんでした。

 

そんな私ですが、あるきっかけがあって、この資格を取得しました。

そして先日、2回目の資格更新のために、更新講習を受講しました。 

そのきっかけの物語を、次回から記事にしていきます。

 

f:id:mattaribetty:20210415170835j:plain

 

 

キーマンを探そう

ここまで、「コミュニティスクール」や「地域学校協働本部」の組織のこと、求められている在り方のことなどを、ずっとお伝えしてきました。

 

今回は、これらの組織が生まれてから、動き始めて、うまく活動が軌道に乗るために、私がとても重要な要素だと考えていることについてお話ししますね。

 

それは、人です

 

コーディネーターもそうですが、先にお伝えしてきた「学校運営協議会」のメンバーや、「地域学校協働本部」の主要メンバーは、人選が大事なポイントです。

 

学校の教員がメンバーになることももちろんあります。

 

しかし、教員は異動があり、ずっとその地域にいるわけではありません。

 

ですから、長い目で見ると、地域の人に中核メンバーになってもらいたいところです。

 

 

これまでも、学校ではさまざまな組織が生まれて、そのメンバーの選出方法も前例踏襲が多かったと思います。

 

いわゆる「充て職」と言われる、何かの役割とセットであてがわれて、よくわからないけどその期間だけ務めておけばいいや、というスタンスもあったでしょう。

 

そういう状態だと、形式だけの活動になりやすく、新しい発想は生まれにくいですよね。

 

せっかくの機会を活かすことができす、とてももったいないと思います。

 

そうならないために、メンバーの人選はとても大切だと思うのです。



まず地域に飛び込んでみる

 

先日、ある中学校の管理職の先生から、当地のコミュニティスクールの立ち上げから一年間の活動報告をお聞きする機会がありました。

 

その中で、「一番大切だと思って力を入れたことは、メンバーの人選でした」というお話しがあり、深く共感しました。

 

その先生は、「まずは地域のことを知らなくちゃ」ということで、積極的に地域のイベントなどに参加して、どんな人たちがいるのか、どんな思いを持っているのか、といったことを、世間話などを通じて情報収集したそうです。

 

そうした地道な情報収集から、「この人なら」という方たちを厳選し、コミュニティスクールの活動に関わってもらったとのことでした。

 

始まる前から信頼関係ができていれば、その後の活動には大きなアドバンテージになります。

 

先生がおっしゃるには、「皆さんとたくさん話をして、学校の思いをよく知ってもらい、それに共感してもらって、一緒にコミュニティスクールを育てることができた」という、実りある初めの一年になったようです。

 

とにかく、その行動力に感服しました。

 

協働する、ということは、お互いのことをよく知る必要があります。

 

そのためには、よく相手の話を聞き、こちらからも話をすることがとても大事ですよね。

 

それを、管理職の先生が率先してやってくださっていることに感動しました。

  

地域により、さまざまな事情があるでしょうが、こうした行動の積み重ねが、学校と地域の信頼につながっている、ということを、ぜひ知っておいていただきたいですね。

 

共感し合える仲間

先日、久しぶりに友人たちと会いました。

こんな春らしい、おいしいスイーツをいただきながら、積もる話をたくさんしてきました。

 

f:id:mattaribetty:20210407141220j:image

 

楽しい時間を共にしたのは、このところブログで記事にしている、「コミュニティスクール」に関わってご縁ができた友人たちです。

 

友人たちとは、住んでいる地域も違いますし、コミュニティスクールに携わった経験や立場も違います。

 

それでも、出会ったときから気が合って、それぞれに活動の場が変わっても、ずっとつながってきました。

 

出会いのころから今に至るまで、会えばいつも「子どもたちの未来のために、何ができるだろうか」という話で熱く盛り上がります。

 

活動が終わればそれっきり、となってしまう関係も多いですが、そうならずにつながり続けていられるのは、きっと「同じ思い」を共有しているからなのだろうと思っています。

 

この「思いを共有する」、つまり共感することは、コミュニティスクールの活動をする中でも、とても大切なことです。

 

友人たちと話していて心地よく感じるのは、お互いに共感し合っているからなのですね。

 

こんなふうに共感し合える仲間がいるのはありがたいことだ、と痛感しています。

 

それは、私たちはそれぞれに、共感し合える仲間を増やすことの難しさを感じながら、活動をしてきた経験があるからです。

 

コミュニティスクールや地域学校協働本部の活動では、いろいろな考えを持った大人が集まります。

 

意見が食い違ったり、対立したりすることもあるでしょう。

 

もめにもめて、人間関係にヒビが入ってしまう、という声を聞くこともあります。

 

それでも、「誰のために、何のための活動なのか」というそもそもの部分について共感できれば、きっと乗り越えていけるのではないかと思っています。

 

たくさんのコミュニティスクールで、共感し合える仲間が増えることを願い、私たちのような「レアな仲間」は遠くから応援しています。

 

 

友人の思いが書かれているブログです。ぜひご一読ください。

 

ameblo.jp

 

ameblo.jp

 

 

 

地域学校協働本部のこと(2)

今は、たくさんの地域で「地域学校協働本部」が設置されるようになりました。

 

そこで欠かせないのは「コーディネーター」と呼ばれる方々の存在です。

 

ほとんどの「地域学校協働本部」でコーディネーターが活躍されています。

 

この方たちは、学校と地域の橋渡し役を担われています。

 

「地域学校協働本部」が円滑に運営されるために、コーディネーターさんの役割は多岐にわたります。

 

学校の現状を知って、子どもたちのためにできることはないか、と知恵を絞って活動してくださっているコーディネーターさんがたくさんいます。

 

ありがたいことですね。

 

なりて不足は情報発信で解消できるかも

 

コーディネーターは、学校のPTA役員経験者であったり、地域の自治会役員がやられることが多いようです。

 

最初は、学校が主体となって、コーディネーターを探すことになるだろうと思います。

 

どんな役割があるのか、明確になっていなければ、「私、やります」と手を挙げる人はいないでしょうから、PTA役員と同じように、なりて不足だという声を聞きます。

 

地域のことをよく知っている人に担っていただけるのが一番良いことでしょうが、多くの場合、学校が誰かいないかと探し回って、その時期に学校に関わってくれていた人に白羽の矢が立つことがほとんどです。

 

外から見ていると、細かい事情は分からないので「PTAの役員をやると、その後もコーディネーターとかやらされる」という印象を持たれて、ただでさえ人気のないPTA活動が、さらに敬遠されるという事態になっているという話も聞きます。

 

 

たしかに、負担が増える部分はあるだろうと思います。

 

しかし、「地域学校協働本部」が設置された経緯を考えると、地域のための組織としてうまく活用されるといいですね。

 

ネガティブな噂話が広がってしまわないように、ポジティブな情報発信が大切なポイントではないでしょうか。

 

例えば

  • 「地域学校協働本部」はどんな組織で、どのような活動をしているのか。
  • この地域では、どんな子どもを育てたいという思いを持っているのか。
  • 将来、どのような地域になってほしいのか。

こうした情報を、丁寧に発信していくことが大切だと考えています。

 

 

地域学校協働本部のこと(1)

ここからは「地域学校協働本部」について、お伝えしていきます。

 

「学校の支援」から「地域の学校」へ

コミュニティスクールのように、「地域の人にも学校教育に関わってもらおう」という活動は、以前からありました。

 

そのころは、そうした活動する組織は「学校支援地域本部」と呼ばれていました。

 

そこでは、簡単に言うと、学校の困りごとに対して、地域の人の力を借りようという目的がありました。

 

ですから、学校が主体の活動になりますね。

 

 

「コミュニティスクール」という言葉が生まれてから、この「学校支援地域本部」が「地域学校協働本部」という新しい名称の組織に移行してきています。

 

なんだ、名前が変わっただけじゃん、と思われるかもしれませんね。

 

しかし、ここには大きな変化があるのです。

 

なぜ最初に「地域」がきているのか。

 

それは、学校の位置づけを見直して、「地域の中の学校」という見方に変えていこうという考え方からそうなりました。

 

これまでのように学校が主体となり、地域がそれに応えるという一方通行の活動ではなく、地域も学校も同じ立場で双方向に「連携・協働」していこうという取り組みです。

 

 

「社会に開かれた教育課程」により、学校も地域もお互いに学校のことや地域のことを理解し、課題解決や目標に向かって連携して取り組もう、ということですね。

 

ですから、地域の人が学校のお手伝いをする、というだけではなく、学校も地域のお手伝いをするべきです。

 

お互いに協働しながら、「地域に生きる子ども」を育てる、というのが、コミュニティスクールであり、地域学校協働本部なのです。

 

**********

文部科学省HP「地域学校協働本部」

manabi-mirai.mext.go.jp