データを分析する力
「EDUCOM元気な学校づくりフォーラム2021オンライン」での学びの記録です。
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必要なのは「分析する力」
フォーラムで、さまざまな実践の報告を聞きました。
その中で感じたのは、ICTが活用されるとさまざまな種類のデータが膨大に集まってくるということでした。
データの集計はICTの得意分野のなので、どんどん任せていけばよいと思います。
問題は、その集まったデータをどう活用していくのか、ということでしょう。
データを活用するためには、分析する力が必要です。
たくさんのデータから、どのようなことがわかるのかを明確に捉えられないと、有効に活用することはできませんね。
「数字は苦手なんです」という人はたくさんいると思いますが、最初から敬遠するのではなくて、数字のどこを見ればよいのかというポイントだけでも押さえておくと、ただの数字が少しは役に立つものに変わります。
しかし、こうしたポイントは、自然に思いつくものではありません。
やはり学ぶ必要があるだろうと思っています。
ですから、大人はもう手遅れかもしれませんが(笑)、子どもたちには、学びの中でぜひデータを分析する力をつけてもらいたいなと願っています。
学校にあってよかったこと、あったらよかったこと(2)
「EDUCOM元気な学校づくりフォーラム2021オンライン」での学びの記録です。
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あったらよかったこと
あったらよかったと思うのは、「授業参観のライブ配信」です。
昨今、仕事を持っている保護者がほとんどです。
授業参観となれば休暇を取って参加するわけですが、子どもが複数いたり、学校が違っていたりして、参観日が何日もに渡ると、全部に参加することが難しいこともあります。
(私自身3人の子どもたちが、高校、中学校、小学校と分かれていたときがあり、なかなか大変でした)
ですから、オンラインで配信してもらえるといいなと思います。
ライブで見られない場合に備えて、録画をいつでも見られるように、アーカイブ化してもらえると尚良いですね。
そうなってくると、特に「授業参観日」と設定しなくても、日常の授業の様子を撮影してもらうことで十分なのかもしれません。
だったら、「授業参観日」自体が不要では?という意見も出てくるでしょう。
しかしそこは、「やはり生の学校の空気を感じたい」という保護者もいると思いますので、一律に廃止するということではなくて、保護者の意見も聞いていただけるといいですね。
これだけ動画配信が一般的に行われるようになってきているご時世なので、ぜひ検討してもらえるといいなと思っています。
学校にあってよかったこと、あったらよかったこと(1)
「EDUCOM元気な学校づくりフォーラム2021オンライン」での学びの記録です。
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私が登壇させていただいたセクションは、「保護者と学校をつなぐICT活用の未来を語る」というテーマでした。
その中で、司会の玉置先生から「保護者の時を思い出して答えてくださいね」と、問われたことが2つあります。
それはこの2つです。
- 学校にあってよかったこと
- 学校にあったらよかったこと
あってよかったこと
学校にあってよかったのは「学校HP」です。
学校からの連絡は、主にプリントで配布されます。
これがくせもので、子どもの成長とともに、親の手元に届かなくなる事件が多発します(笑)
最近は、給食費や教材費など学校に関わるお金は銀行口座振替などでやり取りされるようになり、「期日に間に合わなくて大変だ!」ということは少なくなってきました。
それでも、行事の案内などはプリントがないと詳細がわからないことが多いです。
今は仕事をしている保護者が多いですから、休暇を取る段取りのためにも日程などの詳細はできるだけ早く知りたい情報です。
私がPTAに携わっていた当時から、それらの連絡は、いち早く学校HPに掲載してもらえるようになりました。
これは本当に助かりました。
多くの保護者から感謝の声を聞きました。
また、学校HPに掲載されるのは、連絡だけではありません。
日々の子どもたちの学習の様子や、PTAの連絡、活動の様子なども掲載されています。
ユニークな情報として「今日の給食」というページもありました。
「ここに掲載される写真を見て、給食とかぶらないように夕食のメニューを決める」という保護者も少なくありませんでした。
こうした情報は、すべて保護者の知りたいものです。
保護者の「知りたい」に応えてくれる学校HPは、あってよかったものの筆頭だと思っています。
「EDUCOM元気な学校づくりフォーラム2021オンライン」に登壇
2021年6月20日
「GIGAスクール構想」という言葉をご存じでしょうか。
近年、教育界ではこの言葉が流行しています。
ザックリ言えば、「ICTを教育に活用して、子どもたちに個別最適化の学びを提供し、能力を引き出そう」という方針で考えられたのが「GIGAスクール構想」です。
「GIGAスクール構想」の大きな柱になるのが、「『1人1台の端末』の環境を整備する」ということです。
昨年のコロナ禍で、この「1人1台の端末」の整備が一気に進みました。
これまでは「環境をどう整備するのか」という議論が中心でしたが、端末の整備が進んだことで、これからは「この環境をどのように教育に活かしていくのか」という具体的な実践へ関心が移ってきました。
そうした教育現場の声をもとに企画されたのが、「EDUCOM元気な学校づくりフォーラム2021オンライン」です。
サブタイトルに「実践エピソードで納得 本当に役立つ1人1台端末活用の秘訣」とあるように、大阪市での実践事例の紹介をはじめ、学校現場での活用方法や、保護者と考えるICT活用の未来像の提案など、教育に携わっている方々が「知りたいこと」に寄り添ったフォーラムとなりました。
私は、フォーラム最後の「保護者と学校をつなぐICT活用の未来を語る」のセクションで、元中学校長の先生と共に、保護者の経験から思うことや今後の学校に考えてほしいことなどをお話しさせていただきました。
参加者は学校教育関係者がメインなので、学校サイドの視点でのICT活用を考えておられることでしょう。
けれども、学校教育に関して言えば、教育を受ける側、つまり子どもたちやその保護者も当事者です。
ですから、教育を受けるサイドの声にも、ぜひ耳を傾けていただけるといいなと願っています。
オンラインでの開催という利点を活かして、全国からたくさんの方々がご参加くださいました。
主催のEDUCOMのスタッフの皆さんのご尽力に心から感謝しています。
ありがとうございました。
信頼関係の築き方
前回の記事では、「PTA活動の土台には、学校との信頼関係があった」というお話しをしました。
今回は、小牧中学校で学校とPTAが信頼関係を築いていった過程をお話ししたいと思います。
信頼関係とは、お互いに信じ合い、頼り合える関係だと言えます。
相手のことを信じて、頼ることができるようになるには、相手のことをよく知る必要があります。
そのためにも、相手の話をよく聞くことも大切ですね。
そう考えると、信頼関係を築くためには、お互いに「自分のことを伝えること」、そして「相手のことを知るために話を聞くこと」という姿勢が大事であると言えるでしょう。
当時の小牧中学校では、玉置校長が日ごろから、学校の現状や校長としての思い、目指すべき生徒の姿などを、私たちPTAに伝えてくれていました。
伝える内容は、ポジティブなことばかりではありません。困っていることや迷っていること、悩んでいることなど、ネガティブなことも可能な範囲で率直に伝えてくれました。
それをよく聞き、その思いや姿勢に共感したからこそ、できることは協力しようと思えたのですね。
日常的な発信と、それを受信する側が頻繁に交流し、お互いの思いを共有することに、大きな意義があると感じています。
議論することが大切、とよく聞きます。それで議論をするために会議がたくさん開かれますよね。
しかし、お互いに「伝える」「聞く」という場が必要だということであれば、それは会議でなくてもいいのではないかと思うのです。
「議論するための会議をたくさん開く」とやり方ではなく、日ごろから、雑談のような日常会話をする機会を持つことでも、十分に信頼関係づくりはできるのではないでしょうか。
学校も保護者も、ますます忙しくなっています。
あれもこれもとやらなければならないことが増えていくのは、みんなが大変な思いをすることになります。
ですから、新たに会議を増やすというような足し算の発想ではなくて、今やっている日常会話の延長で思いを伝えてみるというような気軽なスタンスを取ってみると、意外と取り組みやすいのではないかと思っています。
学校とPTAの信頼関係を築くきっかけは、日常会話の中にある。
小牧中学校のPTA活動を振り返ってみて、私はそう感じています。
大切なのは「土台」
小牧中学校で行われていた「3年生の普通救命講習」を、PTAがお手伝いすることになった経緯をお伝えする中で、気付いたことがあります。
きっかけを振り返ってみると、消防署→校長→PTAと、すんなりと話が通ったように見えます。
しかし、この流れの裏には、大事な関係性がありました。
それは、「信頼関係」です。
このお話しがあるずっと前から、学校とPTAの間に信頼関係が結ばれていたことが、活動として動き出すために、とても重要な要素だったと思っています。
この信頼関係は、一朝一夕でできるものではありません。
時間がかかります。
しかし、ここでかかる時間を惜しんでいては、いつまでたっても信頼関係は築けないだろうと思っています。
信頼関係は、組織の大事な土台となります。
「土台がしっかりしていない建物は、外からの力に弱い」と言われますよね。
組織も同じことです。
ですから、「信頼関係の構築」の優先順位を上げてほしいなと思います。
時間をかけて、まずは信頼関係を築くことから始められるといいですね。
次回からは、小牧中学校で、学校とPTAがどのように信頼関係を築いていったのか、というお話しをしたいと思います。
普通救命講習のお手伝い
前回のブログ記事で「学校(教員や校長)」と「保護者(PTA)」には、それぞれの思いがあったことをお伝えしました。
その思いに共感し、賛同したことが、実際の行動につながり、活動へと広がりました。
どのような活動をしているのかをお話ししますね。
普通救命講習のお手伝い
私たちPTA仲間は、晴れて「応急手当普及員」となり、小牧中学校の3年生対象の「普通救命講習」のお手伝いを始めました。
小牧中学校の場合は、講師は消防署員が務めます。
生徒は5~6人のグループに分かれて受講するので、私たちは各グループに付いて、実技のサポートをします。
最初は恥ずかしがったり、ふざけたりしていた生徒も、講習が進むにつれて、真剣に取り組むようになります。
そんな姿をたくさん見てきました。
終了後に、生徒にアンケートを書いてもらっていますが、「難しかったけど、やってよかった」「もしもの時に勇気を出せるようになりたい」など、前向きな感想が多くありました。
「中学生は人を助ける立場になれることを学んでほしい」という先生方の願いは、生徒たちに伝わっているな、と感じています。
代々続く活動になる
継続することの良さも感じます。
生徒にも保護者にも、「小牧中では、3年生になると普通救命講習を受講するんだね」ということが浸透しています。
他では行っていないことなので、生徒はちょっぴり誇りを感じることができます。
また保護者としても、子どもが救命講習を経験できる機会はそうそうないので、とてもありがたいと思っています。
もしもの時というのは万が一にもない方がいいですが、それでも起こってしまった時に、この経験がきっと役に立つだろうと思います。
昨年来のコロナ禍の影響で、残念ながら、小牧中学校の普通救命講習はストップしています。
感染状況が改善されて、いつかまた再開される日がくることを願っています。