オンライン講義のトピック(3)
愛教大のオンライン講義で、学生さんに向けてお話ししたトピックを紹介していきます。
学校教育との関わり~学校をひらく~
PTAとして学校教育と関わっていく上で、外せない大切なテーマに「学校をひらく」ということがあります。
学校がひらかれていなければ、私のような「外部の人」は学校教育と関わっていくことができないからです。
学校現場では、ずっと以前から「家庭・地域との連携が必要だ」ということが言われてきました。
それはこれまでの学習指導要領にも書かれていますし、小学校ではこの4月から始まっている新学習指導要領でも同様です。
今回改訂された新学習指導要領では、「社会に開かれた教育課程」という言葉が使われています。
これは、学校(の教育)を社会にひらきましょう、ということです。
学生の皆さんが小中学生だったころにも、例えば、小学校では「昔あそび」などで地域の方と交流したり、中学校では「職場体験」の中で地域の方が学校で職業紹介してくださるというようなことを経験してきただろうと思います。
そうやって、これまでも学校は地域との連携をしてきました。
ですから、地域との連携というのは、これまでの延長線上にあることで、これから何か新しいことを始めなければならない、ということではないのです。
私は、この「社会に開かれた教育課程」というのは、
学校だけでなく、家庭・地域、そして企業も含めた社会全体で協働して、子どもたちの育ちを支えていく
ということだと考えています。
これからの日本は、少子高齢化が進み、人口は減少していきます。
経済はグローバル化がどんどん進んで、海外の国々とも協働する場面が増えるでしょう。
そういう時代を生きていく子どもたちに、どのような力をつけていくべきなのか、どんな大人になってほしいのか、といった教育の目的を、いろいろな立場の大人たちで知恵を出し合って考えていく必要があると思っています。
そのために、教育課程を広く社会に開いて、学校を「いろいろな大人が協働する場」にしていくことが、「学校をひらく」ということだと考えています。
私がPTA活動を始めたころは、「学校をひらくのは、学校にしかできない」と思っていました。
学校から依頼されたことをやるだけの学校主導のPTA活動だったときには、学校の思いには気づけませんでした。
しかし幸いなことに、学校と「協働する」体験をしていくうちに、学校の置かれている現状を知り、先生方の思いに触れました。
そして、学校をひらくために私にできることは何か?ということを考えるようになりました。
それは、
つなげる・つながる
ということでした。