「キャリア教育」のトピック(1)
大同大学「情報デザイン論」の中の「キャリア教育」で、学生さんにお話ししたトピックを紹介していきます。
製造業の今とこれから
製造業といっても、多種多様なものを製造している企業がたくさんあります。
ひとくくりに「製造業」とするのは難しい面もありますが、私は機械を使ってモノを製造する業界にいますので、その仕事を念頭にお話しします。
製造業の今
皆さんは、製造業の「3K」って、ご存じでしょうか。
製造業は、キツイ、汚い、危険…の3つの言葉の頭文字を取って「3K」と呼ばれて、若い人から敬遠されてきました。
さらに、同じような作業の繰り返しで、つまらない…というイメージを持たれやすいようです。
たしかにそういう面はあります。
製造業で今、大きな問題となっているのが労働人口の減少です。
若い世代の人口が減少していることが原因ですが、そもそも若い世代に人気のない製造業は、労働者の確保にとても苦労しています。
ではどうするか。大きく、二つの方法が考えられます。
一つは、海外に生産拠点を移転する。
もう一つは、外国人労働者を受け入れる。
大企業ならともかく、中小企業にはどちらも負担が大きく、厳しいのが現状です。
そんな苦境の製造業ですが、私は「これからもモノづくりはなくならない」と考えています。
それは、人々の生活に必要なものはモノづくりに支えられているからです。
ただし、これからの製造業も変わっていきます。
製造方法や工場の形態は変わっていくだろうと思います。
製造業のこれから
では次に、「製造業のこれから」についてお話しします。
技術の進歩はますます進んでいきますので、機械化は進むでしょう。
そうなると、人はいらなくなるのでは?と思いますよね。
たしかに機械を操作するだけの人は不要になります。
しかし、人がいらないというわけではないのです。
機械でできる仕事をするだけの人は不要になりますが、機械ではできない仕事、つまり機械を使って仕事を生み出していく人は求められます。
- 機械を使うだけの人(自分で考えない人)は不要。
- 機械を使って生み出す人(自分で考える人)は必要。
このことを、よく覚えておいてくださいね。
おそらくこれは、製造業に限ったことではないでしょう。
どのような業種の仕事であっても、同じように求められる人というのは「自分で考える」ことができる人だろうと思います。
始めは指示通りに動くことが求められますが、仕事を覚えたら、そこからは自分で考え、工夫ができることを求められます。
ですから、先ほどお話ししたように、皆さんには、「機械を使うだけの人」ではなく、「機械を使って生み出す人」を目指してもらえるといいなと思います。