「キャリア教育」のトピック(3)
大同大学「情報デザイン論」の中の「キャリア教育」で、学生さんにお話ししたトピックを紹介していきます。
「働く」とは
以前聞いた言葉でとても共感できたことがあるので、それをお話ししたいと思います。
働くというのは、「はた」を「らく」にすること
どんな仕事でも、必ず人の役に立っています。
そのことに喜びを感じてほしいと思っています。
そして誇りを持ってほしいと思っています。
仕事の種類によって「偉い」とか「偉くない」ということはありません。
ですから、先ほども言ったように、皆さんが就くであろうどんな仕事に対しても、誇りを持って大丈夫です。安心してください。
これから社会に出て働く皆さんにぜひお伝えしたいのは、次の3つです。
- やりがいを見つけよう
- 経験を学びに変えよう
- コミュニケーションが大事
1つずつお話ししますね。
・やりがいを見つけよう
生活費を稼ぐために働く、という側面はたしかにあります。
けれども、働くことには人生の長い時間を掛けるのですから、小さなことでもいいので「やりがい」を見つけてください。
やりがいを感じることができれば、気持ちが前向きになります。
前向きに取り組めば、さまざまな工夫が生まれて、それが次の仕事にも活きてきます。
小さなやりがいでかまいません。
やりがいってどんなことだろう…と疑問に思う人は、先ほどお話ししたうちの会社のスタッフのやりがいを思い出してみてください。
・経験を学びに変えよう
最初は言われるままにこなしていくことが精一杯だとしても、仕事を覚えてくれば「あの時やったあの作業は、こういうことだったのか」「なるほど、このために必要だったのか」などと気付くことがあります。
それが自分の学びになっていくのです。
ですから、経験したことは無駄ではありませんし、これから経験するであろうことも、いつか自分の学びになると思って、どんどん経験を積んでいってください。
しかし、ただ経験を積むだけだと、学びにつなげられないことが多いように感じます。
経験したあとに、うまくいったことも、うまくいかなかったことも、一つ一つを自分で振り返ってみてほしいのです。
振り返ってみるというのは、皆さんがよく言われてきた「復習が大事ですよ」ということと同じです。
その繰り返しで、自分で考える力がつくのだろうと思っています。
私は、この「自分で考える」というプロセスを大切にしてほしいと考えています。
自分で考えて、まずやってみる、という経験を積み重ねていけば、それが学びにつながっていくと実感しています。
ぜひいろいろな経験をして、学びにつなげてください。
・コミュニケーションが大事
「コミュニケーションが大事だよ」ということは、耳にタコができるくらいいろいろなところで聞いているだろうと思います。
またか…と思われるでしょうが、辛抱してくださいね。本当に大切なことなので、お話ししないわけにはいかないのです(笑)
皆さんは「コミュニケーション能力の高い人」と聞いて、どのようなような人を思い浮かべるでしょうか。
いつも明るく、人前でも堂々としていて、はきはきした人を想像するかもしれませんね。
私がお伝えしたいコミュニケーションは、それほど難しいことではありません。
あいさつができること。笑顔でいること。ありがとう、ごめんなさいが言えること。
子どものころによく言われたであろう、そんな基本のことができれば十分です。
けれども、案外この基本のことができない人が多いのが現実です。
人前で話すのが苦手だといういう人に、苦手なスピーチの練習をやらせようというわけではないのです。
先ほど、うちのスタッフの思いのところでもお話ししましたが、仕事はチームでするものです。
そうすると、チーム内での連絡や報告がきちんと行わなければなりません。
それをスムーズにするためのコミュニケーションなのです。
お互いに気持ちよく仕事をするために、コミュニケーションを意識してもらえるといいですね。