退職する理由
新卒で就職した人や若い世代の離職率が高い、という話を聞きます。
いろいろな経験を積むことは決してムダではありませんが、転職を繰り返すことは、今の日本の社会ではマイナスにとらえられることが多いです。
昨年からのコロナ禍を見ていても、何か大きな有事があれば、雇用は不安定な状況になりやすいです。
今目の前のことだけでなく、長い目で見たらどうなのかという視点を持っていてほしいですし、そのためにも社会の状況を知っておくことも忘れないでほしいと思います。
若い人たちが退職しようと思う理由はさまざまですが、「人間関係が原因」という人が増えています。
これはとても残念なことだと感じています。
仕事の内容がどうしても自分には合わないということであれば、それを無理して続けるよりは、他の仕事に目を向けた方がよいでしょう。
世の中には数多くの職業があり、業務もさまざまにあります。
自分に向いているかどうかはやってみないとわからない部分が大きいですし、楽しいと思えない仕事はつらいですよね。
ですから、この仕事はどうしても自分には向いていないと思うのであれば、転職は良い手段になるだろうと思います。
人間関係がうまくいかなくて退職するということについても、本人はとてもつらい思いをしているわけですから、無理をすることはない、という思いはあります。
けれども、人間関係というのは、どこへ行ってもついて回ります。
仕事は一人きりでできるものではない以上、何をやっても、どこでやっても、必ず誰かと協力しながら仕事をしなければなりません。
ですから、人間関係の問題はなくならないのです。
もしその仕事がとても好きで楽しいと思えるものであるのなら、余計に人間関係が原因で退職するのはもったいない、と感じます。
人間関係がうまくいかない。
同僚とうまくコミュニケーションがとれない。
そうした悩みを抱えている人はたくさんいます。
それはあなたの問題だから我慢しなさいとか、自分で何とかしなさいなどという気は全くありません。
むしろ、そういう環境を作ってしまっているのは、上司やマネーシャー、経営者の問題だと思います。
私も経営者の端くれとして、本当に申し訳なく思っています。
みんなが気持ちよく仕事ができる環境を整えるのが管理職の仕事だ、と肝に銘じています。
人間関係が原因で退職するという人が一人でも減るように、日ごろからコミュニケーションが取れる環境を目指したいものです。
ですが、誰か一人ががんばればいいというものではありません。
みんなが相手を思う想像力と思いやりを持てるようになるといいなと願っています。